10.雨の津軽海峡・海底駅めぐりの旅 <1>

北海道に限ったことではありませんが、道内では各地への往復切符に行き先付近のフリー切符をセットにした商品が増えており、さらにここ最近では新聞の折りこみ広告でも宣伝がされています。そんな中で、SL大沼号の運転が最終週を迎えるのを契機に、函館へ足を延ばすことにしたものです。

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今回購入したのは、「函館周遊特割パスポート」(12000円)です。「特割」は函館への行き帰りの列車を限定したもので、列車指定の無い「特割」の言葉の抜けたものと2000円の差があります。その限定列車のうち、札幌を最初に出発する特急「スーパー北斗」2号で函館へ向かうことにしました。

ちょうど全国で猛威を振るった台風6号が北海道に接近している頃で、実際に上陸はしなかったものの、苫小牧から接続する日高本線が鵡川から先が運休になりました。この先、明らかに2時間以上遅れている寝台特急とすれ違いながら列車は南へ進みます。今年は早くも台風の当たり年と言えるほどで、7月16日の寝台特急「トワイライトエクスプレス」は9時間というとんでもない遅れを発生させています。

東室蘭を出ると、列車は内浦湾に沿ってしばらく海岸線を見ながらになります。これから4日間の旅に出たわけですが、結局晴れた空の元で、ということはありませんでした。

途中で、どういう理由かは定かではありませんが5分ほどの遅れを持って五稜郭に到着しました。ここでは特急「はつかり」14号が向かいのホームに待機しています。私もここで列車の接続のためここで降り、ホームで待ち合わせます。

待つこと数分、駒ヶ岳経由森行きのSL大沼号がやってきました。なぜか金曜日にも運転されていて、恐らく空いているであろうことから狙ってみたものです。それでも、車内はそれなりに混んではいましたが、カフェカーを除く3両のうち、2両はかなり空いていました。

早速煙の匂いに包まれながら、七飯を通過すると高架橋で仁山線を渡り、大きく右へカーブして駅はありませんが藤代を経由します。こちらは1967年に開通した、仁山を通る登り勾配の軽減から出来た新線です。戦時中、まだ砂原線ができていなかった頃に函館から札幌方面への貨物運搬の需要が増えたために、大沼から森までの間に信号場が設置されたわけですが、藤代線があるのとないのとではさらに大きな違いがあったことでしょう。

右手に仁山線と合流するあたりになると、左手に大沼公園のうちの「小沼」のそばを走ります。特急列車の案内板でも表示されますが、大沼公園は3つの沼を中心とした公園で、沼には126もの島があります。

やがて大沼駅を通過すると、すぐに大沼公園駅に到着しました。単線駅ながら特急列車も停車するこの駅は、宿泊施設や公園設備などの最寄駅で、駅前には物産館もあります。休日ともなれば、多くの観光客で人がいっぱいになります。

列車は、姫川で特急と普通列車の交換待ち合わせで11分停車しました。姫川は1967年の函館本線CTC化によって真っ先に無人となった駅で、現在では周辺にほとんど住宅がない森林地帯の真ん中、という状況になっています。

その間に、車内を少し探索してみることにしました。かなりの空席が目立つ3,4号車を抜けて先頭にやって来ると、SLの正面がこちら側を向いていました。

2号車では、箱館戦争や戊辰戦争についての記述がありました。この2号車は、ラウンジスペースとなっており、売店があります。

この客車は道内のSL運転の際にも使われていて、カウンターはもちろん全く変わりませんが、ピアノもそのまま置かれています。日曜日の運転が終われば、次はすずらん号として留萌本線を走ることになっています。かなり忙しそうですね(^^;

列車は、定刻の11時38分に森へ到着しました。これから砂原線を通って函館へ向かうわけですが、発車まで1時間半もあるので、駅前付近をうろついてみることにします。

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