11.48時間1万円の旅・10年ぶりの道東めぐり <2>

駅を出て、早速バスターミナルへ向かいます。ここでこの時期平日でも毎日運転されている定期観光バスを利用して、約2時間半の根室観光へ出かけます。

8時半に出発するコースは「のさっぷ岬コース」として、半島の突端にある納沙布岬を訪れようと言うものです。

バスは花咲線の東根室駅と花咲駅の間をオーバークロスする道路を通り、車石という国指定の天然記念物に到着しました。

車石とは、柱状の岩が集まったもので、中には半円の形になっているものがあります。肝心のそれは撮影を失敗してしまったのですが、自然の力でこのような形ができるというのは奇怪でもあり、神秘でもあります。

こちらは、その車石をイメージした形のトイレです。ちなみに、撮影できなかった車石は半径6mほどあるそうです。

15分ほどの時間を取って、バスはいよいよ納沙布岬へと向けてゆきます。バスにはガイドがいるわけではなく、普通の路線バスのように各所でテープを流すという方式でした。 ところどころでテープによる音声を流しながら、車石を出てから30分ほどで岬に到着しました。ここでは35分間停車するということで辺りを散策しますが、シンボル的存在のこの灯台には誰も登っていなかった様子です。

ここからは、北方領土が見渡せます。特に歯舞諸島のうち、最も近い島までわずか13kmしかなく、島を追われてしまった住民の歯がゆさが聞こえてくるようです。

ここには、北方領土に関する資料が無料で展示されています。10年前にここに来た当時はお盆の真っ最中であったことからかなり活気があったのを覚えていますが、平日ということもあって、かなり寂しい雰囲気でした。

宗谷岬にもあるようなアーチがあり、その後ろには平和の火が灯っています。実際のところは分かりませんが、ガイドを聞く限りでは日本が北方領土を失ったのはロシアが約束を破った策略によるものだと言います。到達するまでの間にこのような話を延々とテープで聞かされるうえに、道路にはロシアに対する抗議の意味で多くの看板が建っています。そういえば、終戦後にシベリアに抑留された私の祖父が、ふだん「ロシア」「ソ連」という言葉を、ある言葉に言い換えて話していたのを思い出します。

ちなみに、このあたりは根室市と合併するまでは歯舞村であり、歯舞諸島も村の範囲でした。一応のこと、歯舞の地名は残っており、昆布で生計を立てている漁業集落があります。その昆布漁に対してもロシアと一悶着あったようで、終戦から50年近く経ってはいますが、その長きに渡る怒りのようなものを感じずにはいられませんでした。

駐車場の入口には妙な形をした電話ボックスがあります。多摩川に迷い込んだアゴヒゲアザラシのタマちゃんが話題になっていますが、本来は北極海付近に生息しているもので、この周辺には流氷に流されて稀に見られるそうです。

こちらは日本最東端の公衆トイレで、カニをイメージしたものだそうです。なんでも最東端とつければいいというものではないと思うんですが・・・(笑)

さて、あっという間に発車の時間となり、バスに戻ると運転手さんから「北方領土視察証明書」という、市長の名前の入った名刺サイズのカードを頂きました。

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