14.The Great Escape 〜日本縦断・12日間の軌跡〜 <4>

さて、籠原駅からは始発で運転される湘南新宿ラインの快速電車で、一気に都心を目指します。グリーン車は連結されていなかったものの、前寄りの2両にはボックスシートが連結されていますので、そちらに腰掛けてしばらくの時間を過ごすことにします。この電車は、新宿を経由して東海道線に入り、小田原まで行けてしまうものです。

新宿で大きな荷物を預け、ようやく気楽な身になったところで、小田急線に乗り換え、私にとっては懐かしい場所へ向かうことにします。やはり座れないことは予想できたので、先頭に立って世田谷代田駅から先、工事中の高架複々線化の様子を眺めることにしました。すると、もうほとんど出来上がっている状況で、すでに踏み切りはなくなっているようです。頻繁に利用したいた頃では、こうした変化はすぐに分かるのかも知れませんが、1年ぶりに見たこの区間は、別の路線のような気分でした。

まだしばらくかかりそうな登戸駅を過ぎ、向ヶ丘遊園から先になれば、見慣れた光景が続きます。工事による徐行制限もないので、すっきりとした感じで急行電車は新百合ヶ丘、町田、相模大野と停車し、ほとんど忘れていなかった通過駅やカーブなどのタイミングを思い出しながら乗っていました。海老名で降りることになりますが、ここまでの40分は異常なほどに早かったです。

当時、私はJR相模線の原当麻駅の近郊に住んでおり、今回、ここを離れてからおよそ3年ぶりに自分が住んでいた場所に行ってみようと思い立ち、海老名から橋本行きの電車に乗り換え、「本当にこれから帰る」といった感情を持ちながら、ほとんど何も変わっていない沿線の景色を見ながら、4つめの原当麻駅で下車しました。次の電車までの15分間でいろいろ回ってみましたが、本当に変わっていません。せいぜいテナントが入れ替わっている程度で、そのままスーパーで夕飯を買って帰っても良いくらいの心境でした。さすがに、現在は別の人が住んでいるようですので、懐かしさに浸るのもそこそこにして、駅へと戻りました。

原当麻では別に誰に会うわけでもなく、黙々と歩いていましたが、番田、上溝、南橋本の各駅を撮り直し、相模原在住時代にお世話になった人に会いに行ってきました。当時も朝から出掛けて、夜はこうやって会っていたという日が何度もあったような気がしましたが、今日と言う日は特に、札幌から出てきたのではなく、3年前の自分に戻ってしまったような気分でした。もし何らかの理由で首都圏に住まなければならない状況になったとき、迷わずここに住みたいと思った1日になりました。

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