14.The Great Escape 〜日本縦断・12日間の軌跡〜 <12>

中部天竜駅に到着すると、見慣れない車両が止まっていました。これは、豊橋から運転されていた「トロッコファミリー号」で、EF58の牽引でここまでやって来たものです。中部天竜というと、駅前の佐久間レールパーク、佐久間ダムといった観光ができるので、時間をかけて訪れたい場所です。

向市場駅を出てすぐのところにある、有名なS字橋、通称「渡らずの橋」を渡っているところです。本来はトンネルで通り抜ける予定が、断層線(フォッサマグナ)による影響で地殻変動が激しく、このような形で通過することになったことで、川の上を渡る妙なルートになったわけです。

両側をトンネルで挟まれた大嵐(おおぞれ)駅です。実際は静岡県磐田郡水窪町の駅ですが、駅前にあるのは、鷹巣橋を渡った向こうにある愛知県北設楽郡富山村の観光案内です。富山村は離島以外で最も人口の少ない村で、このあたりは特に交通だけでなく郵便事情が不便です。このため、となりの水窪駅から郵便を積み、列車で送られてくるようです。その郵便は列車の先頭のスペースに置かれ、この列車からもいくつかの郵便物が下ろされたようです。地図で見ると、大変なところにあることが分かると思います。

大嵐駅を出ると、秘境として有名な小和田駅に到着します。ここが静岡県最後の駅となり、次の中井侍駅から長野県に入ります。川を渡ると向こうは愛知県ですが、現在は川の向こうへ行く手段がありません。詳しいことは、何年先になるか分かりませんが、実際に訪問したときに描こうと考えています。最近ではこういった秘境の駅が人気となり、この日も何人か降りていきましたが、18分の待ち合わせで天竜峡方面からの列車に乗るのでしょうか。

天竜峡駅の1つ手前、千代駅です。自転車駐輪場があり、その先は登り坂に森が続いています。実際は集落までそれほど距離はないようですが、見た目には非常に深そうに思えてしまいます。

乗車した新城駅から2時間半、ようやく天竜峡駅に到着しました。ここで3両編成の電車は、先頭の1両を切り離して2両編成となって、終点の岡谷を目指します。景勝地として特に観光地として力を入れているようで、駅前は商店や飲食店、旅館が建ち並び、飯田線を旅するにあたって拠点としたい雰囲気があります。

先頭車両を切り離すと、先頭部分にあった荷物室が新たに先頭となった車両の前寄りに移動してきました。天竜峡では20分の停車時間があり、近くの商店で遅い昼食を買い、発車を待ちます。

天竜峡を出ると、これまでの渓谷美が見られる車窓とは替わって、田園の見られる平野の景色になります。しかし、それでも高度は上がっており、これから飯田駅へ向かうにあたり、勾配の関係から大きく迂回して行くことになります。

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